つれづれ漂流記


2005年の秋に行った作品展“season”は自分にとって今までの活動を振り返るという点でもターニングポイント的な作品展でした。この作品展ではそれまでに行ってきたフリマやイベントの販売も兼ねている展示的な要素は出来得るだけ省いて、流木で出来る可能性を探ってみました。この作品展では今まで自分が行ってきた作家活動の集大成的な要素を込めたつもりでした。でもまだそれでも流木の素材の可能性を十分に引き出していないな〜と実感しました。流木という素材は非常に自由な素材だと思います。その自由さ故の短所も長所もまだまだ見えていないような気がします。この“season”という作品展では私なりのその時の持てる力を込めた作品展ではありますが、毎度の事ながら反省点も多いです。

この作品展の搬入の前日に軽トラを借りてダム湖へ流木を拾いに行きました。久しぶりに?流木を拾いながら自然のエネルギーを頂いた様な気がしました。夢中になって拾っていましたが、秋の日は日が暮れるのが早いのでみるみるうちに暗くなっていきました。少し人里離れた場所であるので、周りにはほとんど灯りがありません。何度も崖下から流木を担いで上がって行く度に「自分は何をやっているのだろう」とか「何の為に作品展を行うのだろう」とか色々思って少し泣けてきました。でもその時に見上げた空には沢山の星が仰ぎ見れて自然の中での自分がとってもちっぽけに思えてきました。そこではたと思いました。恥ずかしながらまだこの時点でも作品展の構想は完全に煮え切れてなかったのですが、流木達の声にしたがってやってみようと思いました。実際に流木の声が聞こえる訳ではありませんが、最初の頃のような純粋な気持ちで素材と接してみようと思いました。そう思ったら何だか何か吹っ切れた気分になりました。このまま会場の近くのお世話になっているお店に流木を預けさせて頂き(ありがとうございました。)帰って残りの流木を積み込んで翌日搬入と相成りました。

会場で作り上げていくというインスタレーション的な(というか計画性が無い?泣)作品展の形式を取りロフト的な雰囲気での作品展となりました。流木を組み上げていく中で自然と流木がパズルのピースの様に適材適所に当てはまって行くようなそんな気がしました。これは頭で考えるのでは無く、手にとって合わしてみると形になっていくというのが不思議な事だと感じました。改めて自然とのコラボは楽しいな〜と思います。会場の照明はスポットのみとし、壁には立て掛けた流木の影を投射しました。光と影の偶然の面白さを感じました。照らす光の角度によって壁に映り込む影の形や大きさも変化して実験的な体験も出来ました。会期1週間のうち会場内に脚立が無くなったのは搬入日から数えて4日目の事でした。会場中に流木を配し、中央には流木で組み上げた地球を吊るし、入り口にはアーチを組み上げました。会場中の流木はずーっと繋がっていて循環を感じさせました。流木の他にも会場には友人と拾いにいった落ち葉を蒔いたりしました。会場中央の地球の周りには、これまた友人からお借りした鉄板をキャンバス代わりにして流木にマグネットを付けた『流木落書き』も設置して来て頂いた方々に自由にお絵描きならぬ『流木落書き』を自由にしていただきました。ここでまた更に流木の素材の自由さやそれぞれの感性を感じさせて頂きました。(ご参加頂き有難うございました。)会場の四隅にはそれぞれ季節をモチーフにした4体のオブジェを展示し、それぞれ春夏秋冬・緑、青、黄、赤の色のスポットで照らしました。全体の雰囲気作りでは以前させていただいたお店のウィンドーディスプレーでの経験がとても役に立ったと思います。そこでもかなり自由にやらせて頂いたのですが、多面的な空間の考え方や捉え方が出来たのではと思います。

この作品展を行った事によって自分の中での一区切りが付いた様な気がしました。作品展を行う前からこれは思っていましたが、今までの一個の作品を並べてだけの展示では無く、空間全体での展示という事を考える様になれたのはこの作品展を行えたからだと思います。満足のいくものかと言われるとそれはまだまだですが、私にとってはターニングポイントの作品展だと思います。作家としての自分、素材との対峙、沢山の方々への感謝等々、この作品展で学んだ事はとても多いです。この作品展からいくつかの季節が流れましたが、私はここにいます。地球も回っています。これから何処に流れていくのか分かりませんが、それぞれの季節を精一杯過ごして楽しんでいければと思います。

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