つれづれ漂流記


2005.2.14

 2004年の秋にイベントに出展していた時に、出会った方の写真&陶器の作品展のお手伝いをさせて頂く事となりました。その作品展は青磁の磁器を森や自然の風景の中に持ち出して写真に収め、青磁と共に展示するといった物でした。そしてその空間ディスプレーとして流木を使って頂く事になりました。木々の中に有る青磁の器はひとつの物語りを感じるかの様でした。写真は額を使わずに和紙等の上に配された自由な雰囲気の物でした。実物の青磁も凛とした感じがしました。森の雰囲気を感じる様なその作品展の後にも、そのまま別の企画展示に流木は使って頂く事になり会場となったインド料理店は流木に2ヶ月占領(笑)されました。

 そして更に、作品展をさせて頂ける事が急に決まり、気楽な気持ちで受けさせて頂いたのですが会期が近づくにつれ段々焦りました。年末はすでに仕事の予定を入れてしまったので準備が十分に出来ないというジレンマも有りましたが、基本的な構想は纏まっていたのでそれに準じて準備していきました。今回も相変わらずのバタバタでしたが、会期が3週間という期間があったので少しながら心の余裕も持てました。今回の作品展タイトル『GARAM MASARA』はインド料理には欠かせないスパイスであり、色々なスパイスを混合したものです。各家庭やお店等ではオリジナルの物が有ります。作品を通じて私自身の持ち味を出せればと思いました。

 今回のコンセプトも、昨年春の『セカンドフラッシュ』の延長線上として考えました。ギャラリーや画廊といった空間とは異なるお店の中での展示という事で壁面を考えた展示をしなければいけません。今回の基本軸は流木アートと写真。『セカンドフラッシュ』で写真を取り入れた空間づくりをしてみましたが、お店の作りが異なる為更に多くの写真を展示しようと思いました。額も手作りで行ければと思ったのですが、経験&時間不足で実現しませんでした。(以前他の空間で見た流木の額がとても心に残っていて自分でも作ってみたいと思っています。)写真は4ツ切りは前回と同じものを使い(新作が準備出来ませんでした。言い訳、汗)、2L版の写真を8枚程モノクロ調にインクジェットプリンターで出力し展示しました。私はよく逆光や斜光線を使って写真を撮ります。特に海辺では砂浜に映った影と被写体の創り出すシルエットが強調されます。カラーで撮ってもややコントラストの強いモノトーン気味の写真に仕上がります。HP上でもモノクロ調にして掲載している作品がありますが、写真の基本は光と影だと思います。流木自体の持つ色とモノトーンの色彩はとても良く合う様です。(お手伝いさせて頂いた写真展はカラーでした。)以前は流木に色を塗ったり、焼いたりしていろいろ実験的な事も行っていたのですが、最近はそれ自体の色合いを楽しむ様に最低限の塗装のみとなってきました。絵の具等で色を付ける事に抵抗は無いのですが、今の自分の表現したい物とは違う様です。色を塗ったりする事で新たな可能性も出来ると思いますので、また挑戦してみたいと思います。(笑)

 平面と違い立体は色々な方向から見る事が出来、更に光線で描き出す影も変わって来ます。展示で気を付けるのはその光と影。今回の会場ではスポットが沢山使えたので壁に映り込む影も楽しめました。作品だけでは出来ない光と影の演出。最近気になります。お店なので蛍光灯も必要ですのでいろいろな状態でのミックスされた光を考える事が大切です。今回も偶然に助けられて(笑)何とか展示が出来ました。流木アートも今までの作品のストックが大半でしたが(って、ダメぢゃん。)今回の空間を見て作った作品もありました。展示する空間によって同じ作品でも見え方が変わるものだと感じました。作品それ自体を一人歩きさせて目立たせずに、空間の1つの要素として展示出来ればと思いました。それは前回の『セカンドフラッシュ』での経験と反省点を踏まえての事でした。『セカンドフラッシュ』では流木カフェというコンセプトの基、空間全体を使っての展示の試作でした。あくまでもお店があっての展示なので会期中、お茶を飲んだり食事をしたりといった時間を楽しく過ごして頂ければという思いが有ります。『セカンドフラッシュ』ではそこの部分が今ひとつ自分の中で曖昧だった様です。『セカンドフラッシュ』で展示した作品も多いですが、場所を変えての展示だとまた見せ方も変えていかなければいけません。それは会場となったインド料理店だから出来る空間に出来れば良いのですが。(汗)

 前回は入り口にあったアーチもお店の奥部分に持っていきました。丁度それに相応しい?場所があった事と、私の作品展の前に行われていたアジア雑貨の掘り出し市で残っていた物が使えたのでそれを使わせて頂きました。奥には窓が有り、『セカンドフラッシュ』で使った和紙のタペストリーもピッタリはまってアジアチックな雰囲気の空間になりました。その空間はさながらアジアの浜茶屋(笑)の様でも有りましたが、オーナーもいろいろ手を加えて下さりとても良い空間になったのではと思います。3週間の会期があったので会期中に作品を増やしたり、展示空間を変化させていました。最初の頃にいらして頂いた方と、最後の方にいらして下さった方とは印象が違うかも。今回も好き放題空間を使わせて頂きとても感謝すると共に、自分の段取りの悪さがとても身に浸みました。(汗)そして今回は『セカンドフラッシュ』よりも自分の肩の力が抜けたのではないかと思います。(良い意味でも悪い意味でも。)

 インド料理店という空間での作品展は自分にとってとても良い経験となりました。インドという場所やスパイスの香りの漂う空間にはとても親近感があります。自分が13年前に過ごしたインドでの2ヶ月の旅行で過ごした日々の事もいろいろ思い出しました。お店の近所に住む(これまた不思議な縁なのかも)インドの旅に一緒に出掛けた友人も訪れて下さり、インド熱(笑)がまたぶり返しそうでした。DM等の宣伝も会期が始まってからというとんでもなくマイペースでしたが、作品展期間中は多くの友人達も訪れて下さり感謝でした。オーナーともいろいろお話し出来とても勉強になりました。(オーナーは詩やエッセイ、絵も描かれます。)

 この作品展を行う少し前、自分自身と対峙する様な思いが有り、作品も少し作れなかった時期が有りました。作る意味やスタンス等を自分なりに考えていたのですが、この作品展を行わせて頂き少し吹っ切れた気分になりました。今回も沢山の“縁”を感じました。自分の気付かない所での繋がりの不思議さと“出会い”の大切さを感じさせて頂きました。作品展は終わりましたがこの後1ヶ月程、展示空間の一部を次の作品展で使って頂ける事になりました。これからの自分が何処に行くのか、どんな人達や時間と出会うのか分かりませんが、少しでも楽しんで頂ける様に精進できればと思います。

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