つれづれ漂流記


2008.12.1

自分の作品だけを作っていたらある日壁にブチ当たりました。その頃はイベントを追いかけて手当たり次第にイベントに出店していましたが、なぜか楽しくなくなってきました。イベント用の作品は展示販売という形を取っていくので作品という名の商品です。それを生み出していくことに意味を見い出せなくなって来ていました。それを生業としている方にとっては売り上げはとても重要な点です。私はどちらかというとイベント自体を楽しむことを求めてしまうのですが、参加しているからには売り上げが無いのもちと寂しいものです。大量生産ではなく一品物だからという事をウリにしてしまうのも有りですが、本当にお客様の求めているものとのギャップに気が付かなくなってしまうのはどうかと思います。かといって個性だけをアピールしているのも問題なのかも知れません。作品がお客様の手に渡ってからは、使い方はその方の感性とか使って頂く状況によって変化していきます。イベントでは沢山の方々の生の反応が感じられるのが有り難いものです。作家ものが珍しく無くなってきているこのご時世、作家もいろいろ学んで切磋琢磨せねばならないと思います。

ある時私に、作品展でのイベントの一環としてワークショップを行えないかとの話しがありました。私自身作ることについて問題意識を持っていた時期なのですが、夏休みということもあって子供達を相手に行いました。まだ初めてなので不馴れな点が多く(今もか。って、ダメぢゃん。)子供が何を作りたいのかを引き出すことができませんでした。何処まで手を出して手伝って良い物なのかの加減も分かりませんでした。その時は貯金箱を作ったのですが、子供の意見は聞きながら行っていたのですがほぼ私が作ってしまっていました。ああ、これではいかんな〜と、反省でした。その後何度かワークショップを行う機会があって不馴れながら反省点も踏まえて行わせて頂きました。その時私は思いました。子供達の自由な発想や感性。自分たちが常識に見る見方では無く自由なものの考え方。そういったものに触れるに連れ段々と作る事に対しての興味が湧いてきました。

私の作った作品をサンプル代わりに置いておくとまたそこから発想を膨らませて自由に作っていきます。そして作業の方も子供達主体に行う様にしました。道具に対する興味や使い方も子供によってそれぞれ。器用な子はどんどん放っておいても作業を進めていきます。(安全には注意します。)保護者がついている場合には保護者にも参加して頂いています。というか、気が付いたら参加されているといった場合が多いです。子供達の要求は時にはとんでもない事を求めて来る事もあります。そこで『出来ない』という事は簡単ですが、ちょっと考え方次第では出来る事が多い様な気がします。(本当に出来ないときには出来ないと言いますが。)そういった子供達の要求に応えるためにも自分自身の腕を磨くのは大事な事です。まだまだ私は未熟なのでその要求に対し全て応えられている訳ではありません。ワークショップは自分にとっていつしか武者修行の場?の様になった気がします。参加者は子供だけでなく大人もあります。大人の場合はどちらかというとサンプルに近い物を作りたいという事が多いです。何度か教室形式で行ったものでは時間の都合が有るためベースはこちらで用意しそれに装飾していくといった形を取ります。それでも出来上がっていくのもは均一ではなくそれぞれに個性的な物が出来ます。自分で作った物には愛着が湧きます。その為結構凝った物も多いです。私が作品を作る中でそういった物に触発された物も結構あります。最近ではイベントもワークショップでの参加も増えて来ました。皆さんの流木を始め自然素材に対する興味の深さを実感できます。

ワークショップを通じて私は物づくりの楽しさや難しさ、そしてそれを伝える事を学んでいます。時には『センセイ』と呼ばれる事もありますが(私は苦手。)あくまでも同じ場所に立ってのアドバイスを行ったり一緒に作ったりというスタンスで有りたいと思います。実際に自由な物を作っていいよと言われると困ることが多いですが、流木とは自由な素材であるため其処に何を見るかは人それぞれ。そのそれぞれの感性を形にするお手伝いが出来ればと思います。方程式の様に正解不正解は有りません。どれもが正解であってこの世にひとつしかない物だと思います。環境教育の中にはインタープリテーションという言葉があります。自然の中でいろいろな体験をしていく中でそれぞれの気づきを促して行くことです。投げかけてそれに対する答えは沢山あります。ワークショップにもそんな要素があるのだな〜と思います。

いつかワークショップを体験してくれた子供が大人になって、私の事は忘れてもワークショップの事を思い出してくれてそれをまた次の世代に伝えてくれる事が出来ればこんな嬉しいことは無いな〜と思います。その時も未来も自然が残っていてくれると良いと思います。

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